くさつ元気ルポ
行きたいところ、出会いの場に
ホッとサロン ひだまり
矢倉学区の新草津川の近くにある大塚団地は1973年から入居が始まり、今では約400世帯が暮らします(2020年現在)。若く子育てに忙しかった世代も歳を重ね、次第に高齢者世帯が増えました。高齢となった住民の“歩いて行ける居場所”として2002年に「ホッとサロン ひだまり」の活動が始まりました。
「活動は月2回。町内の65歳以上の方を対象に食事会・学習会・ゲームや運動・手づくり・バス旅行など、季節感も大切にしながら活動しています。ボランティアスタッフ9人で『次はどんな内容にしようか』と話し合い、会場予約・会計・料理の献立・案内状づくり・写真係など上手く分担できているんですよ」と代表の木村さん。スタッフ自身もやりがいを感じ、イキイキとしている様子に、活動が長く続く理由もわかります。
現在、参加登録は50人。その日の内容によって参加する人はマチマチですが、毎回平均して20人ぐらいの参加があります。心がけてるのは「参加者を単なるお客さんにしないこと」。お世話する人/される人に分かれるのでなく、参加者にもしっかりと役割を担ってもらうこと。料理だったら、切る・混ぜる・配膳など手分けして参加者にもしっかりと手伝ってもらいます。ここにもコツがありそうですね。
また、ペットボトルのキャップを皆で洗うボランティア活動も大きなやりがいの一つになっています。洗ったキャップは共同作業所に届けることで作業所の支援にもなるし、リサイクル活動にもつながります。「学習会では町内会で参加を呼びかけてくれます。地蔵盆では育成会が協力してくれます。食事会をすると地域の方が食材を提供してくれます。こうして地域や色々な団体とのつながりや協力で、活動の幅が広がっています」。木村さんの言葉に、自分たちが楽しむだけでなく、できることで人や社会に貢献することで得られるやりがいの大切さも感じます。
「常連だった参加者が脳梗塞で倒れたんです。心配しましたが、その人は退院後に町内行事に参加しようと思うまでに快復されました。嬉しいですよね。『ホッとサロン ひだまり』が行きたいところ、出会いの場になっていくことが希望です」。高齢者の孤立や引きこもりを防ぐための居場所づくりに、と始まったひだまりの活動。普段から高齢者の見守りや声かけができ、情報も入って来るようになったのも、18年もの間活動を継続してきた賜物でしょう。
顔が見える関係をつくり、参加する高齢者はもちろんのこと、スタッフ自身も人が好きでここで暮らすことが楽しいと思える場が地域にあるって、なんとも頼もしい。そんな「ホッとサロン ひだまり」の活動です。