様々な理由で学校に行きづらい子がいます。「JAGUARの部屋」はそんな子どもたちが家以外の場所で過ごす居場所。月に4～5回、老上まちづくりセンターで開かれます。ここでは一人で本を読んでいてもいいし、人とおしゃべりやアナログゲームで楽しんでも構いません。そう、自分のペースで思い思いに過ごしてよい場所です。

　そんなJAGUARの部屋で今、力を入れているのが野菜づくり。この夏、センターの中庭の一角にプランターを置いて、キュウリやピーマンなどの夏野菜を育てました。野菜づくりの素人ばかりでしたが、地元の人が苗や肥料を分けてくれ、アドバイスだけでなく水やりまでも手伝ってくれました。ときどきJAGUARの部屋に顔を出してくれる子は、おじいちゃんの畑仕事の様子を覚えていて苗を手際よく植える姿には驚いたとか。彼女はその後も誰もいない日にそっと水やりに来てくれていました。

　代表の礒島さんは「学校に行けず家にいる時間が多くなると、どうしてもゲームばかりしてしまったりします。たまにはゲームから離れ、家族以外の人と話す時間も大切です。それに社会経験も少なくなってしまいます。野菜を育てることもそうですが、ここで色々な作業や経験をすることで、一つでもその子の自信につながって欲しいですね。JAGUARの部屋では不登校となった子をもつ親御さんにも寄り添いたい。だから、お母さん・お父さんだけで来てくれてかまいません。お話しましょう。話を聞くことで、少しでも楽になれたり、心に余裕をもってもらえればと思っています」と言います。

　11月にはイチゴの苗植えを始めるそう。今から春が楽しみです。子どもたちには安心を、保護者には支える力と心の余裕を、と活動がはじまった「JAGUARの部屋」。学校でもない家庭でもない居場所があるという安心感。地域でそっと見守りたい活動です。