RSS通信

まちサポくさつ (公財)草津市コミュニティ事業団

団体インタビュー

地元でつながる。ジモトを遊ぶ。

笠縫ツナガリ隊(笠縫学区まちづくり協議会)

いつもの畑で

ツナガリ隊1  晩秋の青空に楽しげな笑い声が響きます。集まったのは30〜40代の「笠縫ツナガリ隊」の面々。

 今日は下笠の“いつもの畑”でピザ窯づくり。といっても経験者なんていません。そこはやっぱりこの世代、スマホで動画を観ながら「ああだ、こうだ」とレンガを順調に積んでいきます。
 ところがレンガをのこぎりで切る作業になると、ひと苦労。11月にしては暖かい日差しの中、代わるがわるノコを引いては汗が吹き出します。周りでは応援ともヤジともわからぬ声援で盛り上がります。

肩ひじ張らずに

ツナガリ隊2  仕事に子育てに何かと忙しい彼ら彼女らは、みな笠縫の住民。その気さくな雰囲気から、さぞや幼馴染か旧知の仲かと思いきや、まちづくり協議会の部会やPTA活動などで知り合い、少しずつ繋がっていった間柄だと言うからびっくりです。

 笠縫は市内でも比較的、高齢化が高い地域。まちづくり協議会ではまちづくりを引き継いでいく、次代の担い手を見つけるプロジェクトを立ち上げようと、今のメンバーに声をかけたのだとか。

 「次の担い手なんて言われると仕事も子育てもしている私たち世代にはプレッシャー。そんな肩ひじ張らず、まずは私たち世代がこのまちを楽しみ、色々な人がつながっていけば、自然と魅力的なまちになっていくのでは」との考えに至ったのだとか。
それで「笠縫ツナガリ隊」なんですね。

なにで楽しむ?

ツナガリ隊3  問題は活動の内容・つながり方。何をしながら地元を楽しむのか。
みんなで色々なアイデアを出し合いました。地元の祭りの動画をつくろう、湖岸での出張カフェやマルシェ、ドローンを飛ばしてみては?など、楽しいプロジェクトが出る中、「まずは、みんなで畑をつくろう」ということになったのだとか。

 「下笠には使われていない農地も結構あります。それに、私たちの世代には子どもたちと一緒に畑をやってみたいという人も少なくないんですよね。できた野菜でバーベキューやピザづくりなんか、収穫後にも色々と楽しそうなこともできそうで…」

地元のお父さん

ツナガリ隊4  ツナガリ隊には力強い味方がいます。それは活動を支えてくれる地元の先輩たち。この大人世代がいなければ畑づくりは到底できませんでした。
畑を手配してくれ、素人であるメンバーに丁寧に指導。しかも日中は忙しいメンバーに代わり、草引きや水やりまでしてくれます。LINEのグループに野菜の写真を流して「そろそろ、抜きにおいで〜」と教えてくれたり。

 「もう、地元のお父さん・お母さんという存在です。世代間で考え方の違いがあって、言いたいことを言い合う時もあるけれど、それも信頼関係があってこそ。『できることはフォローするから、やりたいことをやってみればいいよ。でも、新しい人も入りやすい雰囲気にしてあげてね』ってアドバイスしてくれます」

ワクワクは伝染する

ツナガリ隊5  ツナガリ隊に入った感想も聞いてみました。
「笠縫には昔ながらの集落も新興住宅もあります。高齢化が目立ちますが、実は若い世代や子どもたちも多いんです。だから、このツナガリ隊の活動が子どもから高齢者まで様々な世代をつなぐ接点になれたらいいですね」

 「ツナガリ隊に入り、このまちの魅力を改めて知りながら、楽しんでいます。畑をやってみるのも、神輿を担いでみるのもいい。まちの風景や一コマに興味をもって、実際に参加すれば、自分や家族を知ってくれる人がまちのなかに増えます。そんな身内が増えることで安心できるまち、楽しく住みやすいまちになっていくんだと思います。だから、ツナガリ隊ではどんなことでもチャレンジして、まちを楽しみ尽くしたい」
 「今は地域でつながる楽しみ方を知り、ワクワクしています。このワクワクが伝染していけばいいですね」

夢は伸びて

ツナガリ隊6   はじめての畑では、大豆(枝豆)をはじめ、ブロッコリー・白菜・ほうれん草・サニーレタスなどを育てています。どの野菜もしっかりと立派に育ち、作った自分たち自身が驚いています。
このピザ窯で育てた野菜のピザを作りたい。味噌づくりにもチャレンジしたい。耕運機やトラクターの使い方も教わりたい…。ツナガリ隊の夢はこの畑からどんどん伸び放題。
「このまちの暮らしを思いっきり楽しんでいる姿を子どもたちにみせていきたい」
こんな笠縫ツナガリ隊のまちの楽しみ方、あなたのまちでもいかがですか。


コミュニティくさつ130号 2022.1月
「40代、だけじゃない生活。」
より

前のページに戻る