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まちサポくさつ (公財)草津市コミュニティ事業団

団体インタビュー

縁あって、同じまち

駒っ子の会

三世代同居の町

西川さん  「駒っ子の会」の話に入る前に、駒井沢町のまちの成り立ちを少し。
笠縫東小学校の北に位置する駒井沢町は、まちなかを中ノ井川と駒井川が流れる水が豊か、歴史ある町です。町内には病院が3つあるほか、近年は幹線道路沿いに大型スーパーや洋服店、喫茶店、本屋など生活に身近な店も増え、賑わいをみせています。
 「元々は約50世帯の農家中心の町でしたが、約40~45年前に150世帯ほどの住宅地ができました。そして更に10年前にも宅地開発で約100世帯の子育て世代が移り住んできました。今では約330世帯、100人以上の子どもが暮らす町になりました。従前の住民さんに二度の宅地開発。まるで三世代が同居するような町です」と西川さんと冨山さん。

40年目のはじめまして

富山さん  「駒っ子の会」の誕生は40年前の開発で住民となった人たちが、ぽつぽつと定年を迎えだした平成18年。きっかけは子どもたちの登下校を見守るスクールガード活動です。全国的に子どもが犠牲になる事件事故が多発し、小学校から要望を受けてのスタートでした。

 実は西川さんと冨山さんは40年前の入居組。「お~い」と声をかければ聞こえるくらいのご近所さんですが、定年を迎えるまで互いに知らなかったとか。ご近所の顔さえおぼろげだった住民同士でしたが、西川さんたちの声かけで退職世代が一人、また一人と集まり、スクールガードを通じ互いを知るようになりました。今でも約40人ものメンバーの組み合わせを毎回変えるのは、子どもの安全を守ることに加え、住民同士の交流も育みたいから。

目指すのは

野菜市  スクールガードをきっかけに、活動はどんどん広がりました。百歳体操、グラウンドゴルフ、野菜市…と、住民が関心を持っていることはでグループをつくり、取り組んでいきます。活動が広がるにつれ、40年前の入居組ばかりでなく、従来の住民さんとの交流も生まれてきました。子どもの安全、健康づくり、地産地消と活動は多岐に渡りますが、共通する目的はただ一つ。そう、住民同士がつながり、駒井沢町のコミュニティの輪を広げることなのです。
 ん!?それなら町内会活動でよいのでは?「町内会だけでは難しいことがあります。役員が一年毎に交代したり、若い人は仕事に忙しかったり。時間に余裕のある人が、できることからゆっくりと始める。無理は続かない。いつか時間ができ、気持ちが向いたときに、関わってもらえる場になってほしい」と冨山さん。

教える人・作る人・食べる人

野菜市2  野菜市に戻ります。駒井沢では従前からの農家さんも高齢化や跡継ぎがいないことから、離農される人が出てきたとか。西川さんたち40年前の入居組で空いた農地を借り受け、野菜づくりを始めました。
 「もちろん素人ばかり。農家さんは畑を貸してくれるだけでなく、コツを教えてくれたり、藁や籾も分けてもらっています。うれしいですね。おかげでおいしい野菜ができるので、最近引っ越してきた若い世代の人に食べてもらうための野菜市を始めたんです。従前の住民さんに場所と技術・知識を提供してもらい、40年前の開入居組で野菜をつくる。それを新しい住民さんに食べてもらう。地産地消とまちの三世代交流になってもらえると嬉しいですね」と西川さん。

 その言葉どうり、市が開かれるのは新しい宅地街の一角。もちろん、ここでも目的はつながりづくり。休憩コーナーを設けたり、音楽を流したりと工夫もあって、「これ、どうやって料理するんですか」「いつ、駒井沢にきたの」と、自然と会話が生まれていました。
どうやら野菜市で手に入れるのは、品物だけではなさそうです。

笑顔と会話が広がるまち

野菜市3  駒っ子の会のこれからを聞きました。「今ね、会の女性陣からマージャンを覚えたい、って声があるんです。マージャンなら教えることができる男性も多いしね。健康マージャンの活動が始まりそうです。そうそう、子どもたちが増えたので、地蔵盆を復活しようと進めています。子どものころのふるさとの思い出が増え てくれたらな、と思うんですよ」
 昔ながらの地域に二度の開発があった住宅地。高齢農家と若い世代層をつなぐのは中間の住民たち。ムリなくできることを楽しむ。子どもを真ん中に笑顔と会話が広がるしくみが駒井沢町にありました。

コミュニティくさつ123号 2019.12月
「縁あって、同じまち。」より

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