団体インタビュー
お楽しみはこれからだ!
のんびりしたもの
内園さんが結婚を機に馬池町に越してきたのは昭和53年。「当時はバイパスどころか信号すらなくて、のんびりしたものでした。スーパーやコンビニだってない。買い物といえば、まだちっちゃな子どもを自転車の後ろに乗せて、ご近所さんとよく草津駅前まで行ったものです。今でいうママ友ですね。同じぐらいの世代が多く、みんなよく似た生活でした」
その後、都市化する草津を象徴するかのように、馬池町もその表情を大きく変えてきました。今日もバイパスではひっきりなしに車が行き交います。自転車の後ろに乗っていた子どもたちも巣立ったころ、内園さんは声をかけられ町の役員となりました。
ここ馬池町では各組長は毎年変わりながら、会長が任命した役員さんが町内会運営を引っ張っていくシステムなんだとか。なるほど。
できることを集めれば
それから役員を10数年。町内の人の名前と特徴をすべて言えるほどまちの人を見知ったころ、会長を任されました。
「不安もあるけれど、やるからには凝りたい、盛り上げたい」。内園さんのユニークなアイデアが次々とカタチになっていきます。例えば夏まつりの流しそうめん。えっ、どこがユニークかって? 実はこれ、まちセンから隣の公園までを流そうというもの。かなりな距離です。
それでも、図面を引く人、竹を切りに行く人、それを組んでいく人、大量のそうめんを茹でる人……と、できることや得意なことが集まってホントにやってしまう。
「みんなイヤな顔せず、面白そうって賛同してくれます。町内全体が協力的な空気だし器用な人が多いのも助かります。なにより自分も楽しみながらやってくれるのが嬉しいですね」
どうです?高齢化なんてなんのその。子どもも大人も高齢者だって、互いのできることを集めてまちの暮らしを楽しむ馬池町。素敵ですね。
馬池 博学教室
馬池町の「まちでの暮らしを楽しむ」チャレンジは続きます。以前からしていた交流サロンは、みんなで歌ったり、楽器演奏を聴いたりと、ご近所さん同士のおしゃべりを楽しむコーヒータイム。
これはこれで楽しいものですが、昨年からこのサロンに併せ、ちょっとした知識も身につけようという取り組みが始まりました。その名も「馬池町 博学教室」
先生は参加者自身。自分の好きなこと、得意なことに関するミニ知識をみんなにお裾分けするわけですね。
「馴染みのうすい民族楽器を持っている人には楽器のルーツや音色を。喫茶店のマスターならコーヒー豆の知識やおいしい淹れ方を。ちょっぴり学んで家でも話題にしてもらう。博学教室は知識をもらう側だけでなく、披露してくれる人たち自身も喜んでくれています」
みんなの知識や経験を集めれば、誰もが博学になれるのですね。
子どもたちだって負けていません。コロナ禍で、自宅で何かチャレンジできないかと開催したのが「馬池ファミリーぬりえ」。
春夏秋冬、季節ごとに配ったぬり絵には100点もの応募がありました。「賞も設けて新年会の時に披露しています。集会所や掲示板にも展示して町内の人に観てもらっています。馬池町で生まれ育った子どもたちが『ふるさと』として誇れるまちになってほしいですね」