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まちサポくさつ (公財)草津市コミュニティ事業団

団体インタビュー

人・モノ・コトと学校をつなぐ

中谷緑郎さん(矢倉小ボランティア) 山本悦子さん(矢倉小地域コーディネーター)

大人たちの出番

田植え体験  今の子どもたちは、学校でたくさんのことを学びます。国語や算数といった教科だけでなく、総合学習の時間では「まち探検」をしたり「昔のくらし」を学んだり。
こうなると先生だけでは大変。そこで地域の大人たちの出番です。地域コーディネーターは、地域の人・モノ・コトと学校をつないでくれる橋渡し役。そして 小学校ボランティアさん(通称 『小(しょう)ボラさん』)は実習や体験学習といった授業を手伝ったり、花壇や草木の手入れなどをしてくれる、いわば縁の下の力持ち。
 今、矢倉小には中谷さんをはじめ6名の小ボラさんが陰になり日向になり活動を支えてくれています。

虫かごのダンゴムシ

花壇の手入れ  「昨日も校内倉庫で農機具の整理です」と中谷さん。砂場の砂が固まって使えないと聞くと地元のメンバーと一緒に耕運機で掘り返します。農業収穫体験では授業の日までに土を耕し、授業での作業がしやすいよう日ごろの草刈りや水・肥料やりも欠かせません。
 メンバーには長年、田んぼや畑仕事をやってきた人や竹細工名人など、それぞれの達人たちが揃っているのだとか。

 いつものように畑の作業をしていた中谷さん。虫カゴと網を手に、今にも泣きそうな生徒に出会いました。どうやら虫を捕まえて観察する授業で一匹も見つけられない様子。
 どれ、と一緒に探し始めた中谷さん。「石をどけるとダンゴムシがいてね。虫かごに入れて嬉しそうに行きました。今でもあの笑顔を覚えてます。ちっちゃなことだけど、学校にいるからこそできた経験やと思います」

小ボラ誕生秘話

体験  小ボラの誕生にはある人の存在があったのだとか。今から15年ほど前の話。矢倉に奥村實さんという方がおられました。奥村さんはお孫さんが矢倉小に入学した時、校内の花壇や植木が荒れているのに気づき、手入れをはじめられたのだとか。

 それからというもの、花の水やりや雑草引きに毎日訪れるだけでなく、雨の日も嵐の日でも登校時間には子どもたちの安全を見守り続けました。
 こうした奥村さんの活動は10年間、お孫さんが卒業しても続いたのだとか。いつしか、子どもたちにも学校にも欠かせない存在となっていた奥村さんが亡くなったのは2年前のことです。
その後、学校の呼びかけに花や野菜を育てる達人6名が地元から集まりました。

家庭と学校と地域と

田植え体験2  「夏の草刈りとか大変な作業もあるけど、子どもたちが私たちの顔を覚えてくれることが嬉しいし大切なことやと思います。それにね」中谷さんは続けます。
 「必要とされている実感はやりがいにつながるし、自分への学びにもなってますよ。高齢者って、きっかけが見つからないだけで、何かしたい、役に立ちたいと思ってる人も多いんじゃないかな。家庭と学校、それに地域との信頼関係があってこそ、子どもの安心安全につながるんだと思います」
今日も矢倉の未来が育まれています。


コミュニティくさつ131号 2022.5月
My home town story 矢倉より

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