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まちサポくさつ (公財)草津市コミュニティ事業団

団体インタビュー

あなたの人生に、物語を。

Bush Clover (ブッシュ クローバー)玉川       谷 正美さん・影岡比呂子さん

人を、まちを、見つめる

影岡さん  ブッシュ・クローバーは女性8人のグループ。全員が玉川学区での現役か退任した女性の民生委員さんです。民生委員は地域の高齢者やひとり親家庭などをそっと見守り、困りごとがあれば相談相手になったり、行政や専門機関につなぐなど、地域には欠かせない存在。
ヤングケアラーや中高年の引きこもりなど、外からは見えにくい問題を抱える家庭が社会問題になりつつある今、民生委員の活動はますます大変に、そして複雑になっているのだとか。

 「南草津駅の周辺ってマンションが多いでしょ。オートロックだとインターホン越しにしか話すことしかできない場合もあってね。やっぱり顔を見て元気かどうか確かめたい。直に話をして安心したいですね」と谷さん。

「民生委員と話してる姿を人に見られたくない人もいます。今は30~40代の人たちの引きこもりも気になりますね。外出ついでに一人暮らしの方の家の周りをぶらっとまわって『あっ、今日は窓が開いてる。よかった』って安心したり…」とは影岡さん。
こうして民生委員さんは私たちの暮らしをそっと気にかけてくれているんですね。

この経験をつなぎたい

朗読劇  玉川学区の民生委員は19名。女性が少なかったことから、普段からお茶や食事をしながら「地域のためにできることって何だろう」と意見交換をしてたのだとか。
 3年前(2019年)のこと。その時の改選で任期を終える女性委員が何人かいました。
 「せっかくここまで務めてきたのに、この経験や、つながりが切れてしまうのはもったいない。何か地域のために活かす方法ってないだろうか」と草津市社会福祉協議会に相談してみました。

 市社協の職員さんからもらったヒントは「草津市の素敵な物語」と題された短編集。実はこれ、市社協が市内の民生委員や地域サロンのリーダーから話を聞き、市内で実際にあったエピソードを丁寧に綴ったもの。
 5歳の女の子が突然、利き手である右手を使わなくなったお話や、高齢者施設に入所したはずのおじいちゃんがなぜか、地元の地域サロンに戻ってきたお話など、子育てや介護の現場でのエピソードがいくつも紹介されています。どれも心が温まり、そして私たち一人ひとりが考えさせられるものばかり。
 「これを仲間たちと朗読劇にして、多くの人に知ってもらいたい…」。谷さんの直感でした。

やるからには…

手あそび歌  学区の現役・OG民生委員による「ブッシュ・クローバー玉川」の始動です。原作を朗読劇用に編集し、脚本を創ります。「玉川の人ならこんなしゃべり方だよね」「もっと、子どもらしい話し方で!」と、練習中の演出にも熱が入ります。「やるからには素人芸で終わらせたくない」と谷さんのこだわりです。

 “朗読劇だけじゃしんみりしちゃうから”と、ハンドベルや歌の時間もつくるなど、そちらの練習も欠かせません。みんなで歌えるように「365日の紙飛行機」の歌詞を投影し、歌の最後に参加者全員で紙ヒコーキを飛ばしたこともあるのだとか。

 「仲間との打ち合わせや練習の時間が楽しくて仕方ないですね。これまで高齢者サロンでの公演が多かったけど、若い親子サロン向けにも紙芝居や紙人形劇を練習中です。私たちブッシュ・クローバーと一緒に過ごす時間を楽しんで、そして癒されてもらいたいですね」

助け合って暮らしていけるまちに

谷さん  玉川に引っ越してきて20年という谷さん。
 「玉川は歴史がありながら、私のように他所から来た人間も快く受け入れてくれるまち。コロナ禍でバイトができなくなった大学生のためにフードバンクで食糧支援をしてくれたり。こうして、いつまでも助け合って暮らしていけるまちになるため、私たちもできることで貢献したいですね」

 民生委員として、人を、まちを見つめ続けてきた8人の女性たち。萩の花ことばは「内気・思案」だそうですが、彼女たちの視点と行動力には女性ならではのしなやかな力強さと地元愛がありました。
 琵琶湖の色だというブルーのTシャツに萩のブローチをつけ、ブッシュ・クローバーは今日も素敵な物語とあなたに温かい時間を届けます。



コミュニティくさつ133号 2022.10月
My home town story 玉川より

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