団体インタビュー
定年まで待てない人必見! おやじがかっこいい~街
「おやじの会」つながりのポイントは
ここは追分町の「かがやきの丘」。比較的若いパパママ世代の多い約300世帯からなる新しい住宅地。町内会も平成22年にできたばかりです。まだ祭りもないこの町では、自治会館の竣工式に合わせて「第1回かがやきの丘まつり」をしようと当時の役員さんたちが動き出しました。大人から子どもまで、集い楽しめるものを企画し準備にかかります。たこ焼き・焼きそばなどの出店や子どものゲームコーナーまで、アイデアがどんどんと集まり、前日準備には30人近くが集まっていました。町内会の副会長をしていたMさんは「みんな“何かしたい”というエネルギーを持っている」と感じたそうです。
Mさんは話します。「お母さんは“ママ友”みたいに子どもを介してつながりができるけれど、お父さんは地域でのつながりがない。それなら“おやじ”を集めて、この「何かしたいエネルギー」を刺激する場をつくれば、今から知り合いになれるんじゃないかってね。」―『かがやきの丘おやじの会』の誕生です。つながりのポイントはママ友同様に子ども、そして“ちょっと一杯”です。
おやじたちの三輪車レース
1回目の活動は親子での竹馬づくり、夕方には懐かしの銭湯で汗を流し、自治会館での宴会です。チラシをつくり「おやじの会」の活動に賛同したのは約60組。その後も2カ月に1回ペースで「三輪車レース」「おもちつきといも煮会」「ホワイトデーのケーキづくり」などパパ心をくすぐるプランです。すべて、おやじと子どもが準備し、お母さんに負担はかけません。そして普段見れない、ちょっとカッコいい(?)おやじの姿も見れるのです。
もちろん、目的であるお父さん同士のコミュニケーションも自然と生まれます。「勤務先はどこ?」「京都です。」「同じや、また京都駅で待ち合わせて飲みましょか。」と、つながっていきます。また話題も地域のことが多くなる。「回覧板に載ってた空き巣の手口って…」こうして防犯や防災といった街の力も自然と強くなっています。
おやじたち、畑をつくってみる
先日、「おやじ農園」が発足しました。約40組が参加しています。農園はなんと住宅地の一角。宅地用の土地なので地盤は固く畑の土には遠いので、まず重機で掘り起こして土づくりからのスタートです。「でも野菜が育つ土ってどうしてつくるの?」おやじたちのハテナ?が渦を巻きます。
「ネットで調べて来る」「ホームセンターで聞いてくる」「田舎の親に電話してみる」「○○さん、農園の園長ね」…。
各々ができることで情報を集め合いながら、畑を介したコミュニケーションが生まれます。「そのうち自分たちで作った野菜を使って鍋やバーベキューを」「いやいや地域の中で直売を」「いつか“かがやきメロン”を売り出そう!」と夢はふくらみます。ゼロから始める苦労と、ものをつくる楽しみは、みんなが歳を経たときの共通の思い出になっていくだろうとMさんは期待します。今はまさしく、その種まきなんですね。