団体インタビュー
地域をくまなく回る強み
情報が届かない高齢者
新聞販売店といえば新聞配達や集金で地域をくまなく回ります。その強みを活かして市内の読売新聞販売店が協力して「事件かわら版」を発行。新聞とともに月に1回、各家庭に配達されるわけです。もちろんデータは警察から提供されたものです。「販売店によっては高齢者宅が多い地域も担当します。小学生がいる家庭は学校から便りやメールが届きますが、高齢者のご夫婦や独り暮らしの人にはこの手の情報が入りにくい。私たちも読者の皆さんを大切にしたい。配達ルートを通じて情報を届けることで地域の役に立ちたいと思っています。」と読売センター代表の小寺達義さん。
実は小寺さん自身が最近、カバンの盗難に遭い、事件かわら版に「皆さんも注意して下さいね。」と書き添えました。「大丈夫ですか」と逆に心配して連絡をくれた読者も結構おられたとか。なんとも「事件かわら版」の反響をよく表すエピソードですね。
頼みにくい“ちょっとしたこと”
読売新聞販売店の“地域の役に立ちたい”思いは「まごころサポート」事業にもつながりました。ちょっとしたことが身内や近所に頼みにくい世の中、介護保険の対象とならない電球の取り換え・草刈り・大人用おむつやトイレットペーパーなどかさ張るものの買い物など高齢者の「ちょっとしたことだけど頼みにくい」「助けてほしいけれど、どこに連絡してよいのかわからない」そんな声に応えます。対応するのは販売店の社員。プロのような完璧さはないけれど、ちょっとしたお手伝いなら…と、そんな思いで始まりました。
でも、ちょっとまって!プロでもない人をそんな簡単に家に入れてくれるもの?それには読売YCの杉江敬介さんが答えてくれました。「普通なら見知らぬ人を家の中には入れてくれません。私たちの主な仕事は新聞の配達と集金です。カード決済や自動引落しの時代に今でも半分は集金です。特に高齢者のお宅が多いですね。中には集金人を指名するお宅もあります。集金人も慣れていて、行けば集金だけでなく、ちょっとした話し相手にもなっているようです。こうして新聞の配達や集金業務を通じて私たちを信頼してくれているから、ちょっとしたお願いも頼みやすいし家にも入れてくれるのだと思います。」
そう、新聞販売店が届けるのは新聞だけでなく「思いやり」と「安心」です。