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まちサポくさつ (公財)草津市コミュニティ事業団

団体インタビュー

身近な人だからこそ頼めないこともある

生活協同組合コープしが

20cmだけ・・・家具を動かして

窓ふき  生協の「ささえあいサポート」は、組合員の中で何かに困った人があると、それを手伝える人が助けるという組合員同士の助け合いシステムです。困りごとの依頼が入ると登録しているサポーターに一斉メール。「私、手伝えますよ」というサポーターを事務局がコーディネートして活動に入ります。高齢者からの依頼で最も多いのが草取りや庭木の剪定など庭の手入れ。連れ合いが寝込んだり、時には亡くなったりして、これまで自然にしていたことが急にできなくなります。他にも「車いす生活。重いモノを買いたいから一緒についてきてほしい」「入院中なのでお墓の掃除をしてもらえないか」「部屋の模様替えをしたい。大きな家具を20cm動かしてほしい」など。また、季節を大切にする高齢者からは簾の付け外し、敷物や建具の取替なども多いそうです。時には「代わりに町内会清掃に出てもらいたい」なんてことも…。

 高齢者だからといって助けてもらうばかりではありません。子育て世代から多い依頼は子どものお迎え。2人の子どもを抱えての通院や、残業でどうしても迎えに行けないときもあります。そんなとき、意外にも「任せておけ」とばかりに退職世代の男性がSOSを引き受けてくれる場面もあるとか。男性の出番はこれからの困りごとを解決する大きな鍵となりそうです。

家族やご近所に申しわけない

家具運びだし  事務局の森岡さんは言います。「以前は家族やご近所で普通にしていた支え合いがしにくい世の中になりつつある。正直『えっ、家族に頼めないの?』と思うような些細なこともあります。でも、どんな小さな依頼にも頼まざるを得ない理由や背景が隠れています。『家族やご近所の方に申し訳ない』という高齢者の方の気持ちもあります。だからあえて、別の町に暮らすサポーターの手伝いを希望する人もいます。それと依頼の後のおしゃべりを楽しみにしているような高齢者もおられます。見ず知らずの他人だからこそ話せるおしゃべりもあるんですよね。



生活協同組合コープしが
岡野早苗さん・森岡淳子さんにインタビュー

取材・掲載

コミュニティくさつ103号 2014.12月号
「高齢者の不便・不安・不満を減らせ」より

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