団体インタビュー
スポーツから伝えたいこと ~草津市スポーツ少年団
前島昭憲さん(草津市スポーツ少年団本部委員)
野球の奥にあるもの
変わったこと・変わらないこと
話は続きます。「兄弟のいる子が減ったのかなぁ。ケンカの加減や下級生への接し方がわからない子が増えました。ずっと前だけど、デッドボールを受けてヘルメットをピッチャーに投げつけた子がいてね。その場できつく叱ったことがありました。そしたらグラウンドから飛び出していっちゃって、叱った私の方がビックリ。後で聞くと、その子は親御さんにも先生にも叱られたことがなかったそうです。叱られることに慣れていなかったんですね。昔は近所に叱ってくれる大人もたくさんいたから。
でも今も昔も変わらないことがあります。それはみんな野球が好きってこと。学校では手におえないと聞く子だって、スポ少ではまったくそんなことは感じられない。きっと野球が楽しくてしかたないんですね。」
40年。続けてきた理由
前島さんの夢にゲームセットはありません。「小学生の間は心と体をつくること、そして基礎を身につけることがその後の子どもたちの成長にとって大切だと思っています。いつか野球を辞めることがあっても、どんなスポーツでも楽しめる大人になってほしい。あとスポ少って、実はスポーツを通じて地域づくりに貢献していくことも大切な目的なんです。だからチームとしても、もっともっと地域に溶け込んでいかないといけないし、地域の方にもどんどん関わってもらいたい。親御さんでも地域の皆さんでもできることがあれば関わってもらいたい。陸上経験があったなら走り方を教えてやってほしい。そうして、子どもたちがスポーツを通じて地域とかかわり、チームも地域の誇りとなっていく。そんなスポ少に向かっていけたら良いですね。」
* 平成27年度の市内の小学生7,715人(草津市統計書)に対し749人(滋賀県スポーツ少年団要覧)。9.7%の児童が加入。