団体インタビュー
トトロの贈りもの
子どもたちを本の世界へ誘う
ここ山田小学校でも、10年前から1年生の保護者有志による開き読みが行われていました。ところがメンバーが少なくなり5年前には自然消滅。「それなら自分たちでグループをつくろう!」と全学年の保護者にまで拡大し読み聞かせボランティアを募りました。読み聞かせボランティアグループ新生「トトロ」の誕生です。
現在のメンバーは20人。1学期に1回ずつ学年別にトトロによるお話会が開かれます。プロジェクターで投影したり、パネルシアター、巻き絵、ペープサートや大型紙芝居など様々な道具や手法を使って子どもたちを本の世界へと誘います。
山田小学校の特徴はこのお話会が朝自習の時間ではなく、授業の一環として位置づけられていることでしょうか。授業時間は 分、メンバーが交代しながら4~5冊の本を届けます。
意外なことに誰でも知っていると思っていた童話や民話を知らない子どもがいるのでスタンダードといわれる話や季節らしさを感じる話、人権をテーマにした話など、ときには先生とも相談しながら進める選書は、最も気を使いながらも楽しい作業とか。中には自分の子どもに事前に読んでもらい感想を聞くメンバーもいるそうです。素敵なことですね。
参観日でもないのに学校に行くなんて
活動を始めた当初は図書館から借りてきた本を読むだけでしたが、子どもたちに「より見やすく」「心に届くように」とペープサート・パネルシアターをつくるなど、みんなでワイワイ創意工夫しながら創作もしています。
モノの準備ができたら配役を決めて練習。ピアノの得意なメンバーは効果音や伴奏を担当するなど音での演出も行うという熱の入れようです。
またそのころ「参観日でもないのに学校に行くことは、何だか先生の領域に踏み込むようで敷居が高いな」と感じていた壁も、学校側の「どんどん来てください」という言葉や先生方による前向きな準備協力が払しょくしてくれました。今では「トトロ」は学校の協力者でありパートナーだと感じています。
あっ、トトロのおばちゃん!
この活動がトトロの皆さんにもたらしてくれたものを聞いてみました。
活動をしていると毎週一回は学校に来るので、自然と学校の雰囲気や子どもたちの様子を感じるようになったとのこと。またスーパーで「トトロのおばちゃん」とか、演じた配役の名前で声をかけられることもあるとか。こんな時には「子どもたちが楽しい時間を過ごしてくれたんだ」と、うれしくなる一コマです。
幼稚園や保育園でできた親同士のきずなも、小学校に入ったとたん「遠くなってしまった」と感じるお母さんもいることでしょう。学校や子どもを取り巻く情報を交換したり、お下がりの制服をまわすなど、学年を越えて親同士のつながりができたことも「トトロ」の活動のおかげです。
また図書館の存在も身近になりました。本のプロである司書さんから子どもたちの前に立つときの服装や本の持ち方まで読み聞かせのアドバイスをもらえることも活動の魅力です。
たかが絵本、されど絵本…
本と人をつなぐ活動を紹介!
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