団体インタビュー
緑がつくる空間・時間・仲間
まちの緑の手入れ
「これドライフラワーにできる?」「この花はもう切った方がいい?」
休むことなく動き続ける手と賑やかに弾む会話の主はガーデニングサークル「グラッシー」の面々。2012年に市主催のガーデニング講座の参加者が「草津を花と緑いっぱいのまち、ガーデンシティに」と立ち上げました。今では退職世代を中心に40~70代の約180人が登録しています。主な活動は、ニワタス(草津駅前)、陽だまりガーデン(南草津駅東山道記念公園)、de愛ひろば(草津川跡地公園)の3か所で、木々を維持し美しい花を咲かせること。つまり、「まちの緑の
手入れ」ってわけですね。
「週をかえて3か所をまわるので、それぞれ月に一回の活動になります。だから、そこを訪れた時には草花や木々の様子が1か月前とずいぶん変わっています。春は種まきと植栽。夏は草引き・水やり・花ガラ摘みが中心。特に夏は雑草が伸びるので、暑くても手を抜くわけにはいきません」と代表の沢尾さん。「手は抜かない。でも活動自体は長くても2間までと決めています。倒れたり、しんどくなってまでしないこと。楽しめる範囲でないと続きませんからね」。
家の庭と違って気が滅入ってしまうくらいの合ったり、情報交換したり、楽しく作業するのがグラッシー流です。
誰にでも出番がある
まちと自分の間に
実は沢尾さん自身も定年後にガーデニングを始めた一人。「定年直後はゴルフ・海外旅行・飲み会…と気ままな時間を楽しんでいました。でもね、そんな暮らしも3か月すれば後ろめたくなってきました。何か恩返しがしたい、貢献したいと思い始めた矢先に、ガー
デニング講座があったんです」
今では自宅でもバラやハーブを育てる立派なガーデナーです。グラッシーのメンバーも、バラを見に訪れ、ハーブティーを楽しむ交流もあるとか。
「毎日庭をいじっているとね、近所の女子高生が挨拶してくれるようになりました。ガーデニングを始めていなかったらグラッシーの仲間にも出会えませんでした。なかには草津に引っ越してきて誰も知り合いがいなかったからと仲間づくりとして参加した人もいます。
花や緑といった共通の話題があることで、人やまちとつながっていけることを活動から実感しています。私だけじゃないと思いますよ。メンバーはみんな、自宅や地元でもガーデニングを楽しみながら、グラッシーにも参加します。それぞれが得た経験や情報を自宅とまちの公園で活かしあったり、仲間同士でコミュニケーションをとっています」