団体インタビュー
時速4㎞の風景 ~草津市体力づくり歩こう会
まず、自分が楽しむ
朝夕、ウォーキングしている人をよく見かけます。手軽に生活習慣として取り入れやすい運動としても人気があるようです。そんなウォーキングの代名詞ともいえる“歩こう会”。「草津市体力づくり歩こう会」の始まりは、昭和43年というから驚きです。50年以上も毎月毎月歩き続け、昨年は通算600回を迎えました。
その人気を支える理由の一つがコースの設定。市内を歩くだけで
なく、草津を帰着に市外や県外にも出向き、その地の景勝や歴史文化に触れることができるのも歩こう会の魅力です。
「コースはスタッフ一人ひとりが企画を持ち寄って決めてす。季節に合わせて自分が行ってみたいところを提案する人もいれば、大河ドラマゆかりの地など流行りや話題性を取り入れたもの、琵琶湖一周・中山道踏破など数回に分けたシリーズものもあります。まずはスタッフ自身も参加者として楽しめるかどうかという視点を大切にしています」と横江さん。単調になりやすい運動だけに、「楽しめる視点」が大切なんですね。
楽しみの影に
時速4㎞の風景
事業廃止、そして復活。
今や大人気の歩こう会ですが、50年という長い歴史の中には危機もありました。元々、歩こう会は市の主催事業で、草津市スポーツ推進委員協議会が運営するスタイルでした。
ところが平成21年の事業仕分けで廃止が決まったのです。すると思いがけない声が上がりました。「継続してください」。
声の主はこれまでの参加者たちでした。
「市ができないのなら自分たちで…」3か月後、歩こう会は協議会の自主事業として復活したのです。自分たちで事務をするためにパソコンを購入。また保険代などの必要経費を捻出するため、参加者から参加費を負担してもらっての船出でした。「苦労はありましたが、メンバー一人ひとりの自覚が芽生えるようにもなりました。それまで意見だけを言う人もいましたが、今ではみんなが実際に行動するようになったのです。市も知らん顔でなく、サポートにまわってくれています。雨降って地固まるですね」と、嘉悦さんは振り返ります。