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町内会長さんの心がけは素晴らしいのですが、これではいざという時に持ち出すのは難しそうです。日ごろの備えについて市役所に聞いてみました。例えば非常持出品。食べ物なら缶詰などをまずは思い浮かべますが、カップ麺など日常的に食べて、買い足しながら繰り返し非常食として備える「ローリングストック」だと軽くて無理なく備えることができます。また、通帳やハンコなどの貴重品を非常持出品に入れておく人もいます。これでは日常生活が不便ですね。よく勘違いされることですが、「非常持出品」はあくまで命をつなぐためのもの。「あれもこれも」でなく、「あれかこれか」の視点が大切です。非常持出品と貴重品、いざという時にそれぞれ持ち出すことができるようにしておきます。
市役所の職員さんが最後に言ってくれたこと。「こんな場合にはどうする?ということを、家庭で、隣近所や地域で、話し合ってくれることがなにより大切です。せっかく訓練に参加したのに、家に帰ったら“そのまま”って話もよく耳にします。参加したことをきっかけに、その時知ったことや、感じた疑問・不安を身近な人同士で話し合ってみることこそ、防災では重要なんです」
地震・豪雨などによる水害や土砂崩れ…。防ぎようがなく、またいつ起こるかわからない自然災害。“いざ”というとき、住民同士の助け合い・支え合いが最初の命綱となります。命をつなぎ、被害を最小限に抑えるために、まずは「自分や家族の命を自らが守る」そして「顔の見え合う隣近所で助け合う」といった自助や共助による備えを何度も見直し、それらが活かされるよう日ごろから人と人とのつながりを大切にしておきたいものです。これこそが地域のコミュニティの最大の役割と言っても過言はありません。
これってやっぱり、みんなの問題。 |
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