|
2人の登場人物、あなたはどちらの立場に共感しましたか。会長や役員の選出はなんとも悩ましい問題ですね。こみ平さんのボヤキが聞こえてきそうです。
これが町内会長なら「次期会長を決める会議になると決まって欠席が多くなる」「高齢者は除く免除規定をつくって、気がつけばみんな対象者になっていた」「会長になるくらいなら町内会を脱会する」なんて笑うに笑えないエピソードも耳にします。
おそらく「自分の町のことだから、できることはできるだけやらないといけないな」と多くの人が感じています、たぶん。少なくとも「どうしてもイヤ!」と押し通すのは相当な度胸と根気が必要でしょう。でも、できないのです。「勤めに出ているので時間がつくれない」「高齢や障がいのために、実質できない」「パソコンや事務が大の苦手」など理由は様々。一方で「不公平だ」「ワガママだ」なんて声が上がると、もう収集がつきません。
なにか妙案はあるのでしょうか。もちろん答えは否。あるならとっくにしていますものね。でももう少し「やりたくない・やれない理由」を細かく分析すると状況が改善することもありそうです。「時間がない」という人には会議や準備などにかかる時間の目安を示してあげたり、パソコンや事務は得意な人が代わりにして負担を減らすこともできるかもしれません。自分たちの町のことは自分たちで決められるのです。「公平に・公正に」と行政ばりに肩肘はらず、その理由を受け止めてみましょう。少しハードルを低くするだけで協力者は増えるかもしれません。だって、みんな解ってるんですから。それに「はじめは嫌々やったけど、やってみたら結構楽しかった」なんて町会長は意外と多いものです。
参考「“町内会”は義務ですか?~コミュニティーと自由の実践~」紙屋高雪(小学館)
|
|